現代人は「チャット」で心の豊かさを
先日、ソフトバンクのプレスリリース記事が大きな話題を呼んだのはご存知でしょうか??
『ソフトバンク、FAQページをチャット型へ自動変換、外国語対応も』
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/111703418/
要するに
ソフトバンクが企業・自治体向けに、チャットによる対話型FAQの提供を開始したということです。
ただ、おそらく大半の人はタイトルと記事を読んでも「??」だと思います。
常に時代の一歩先を見通し、我々を驚嘆させてきたソフトバンクは一体何を見据え、何に着手したのか?
以下、私なりの分析と感想です。
ソフトバンクは「APTWARE」という自然言語処理システムを所有しています。
簡単に言うと、
1 サイト訪問者がサイト内に設置されたチャットログに言葉を入力する
↓
2 入力した単語・会話を自動解析し、APTWAREが自然な返信を自動で返す
という仕組みです。
AI(人工知能)が自動で会話してくれるんですね、すごい。
そしてソフトバンクはAPTWAREのさらなるサービス改善と発展のため、とある企業と協業関係を結びました。
それが「Chamo」という会社です。
ここは手動によるチャットを提供し、近年業績を伸ばしているベンチャー企業です。
ソフトバンクは次世代の接客システムを開発するために、このChamoという企業に目をつけたのです。
つまり「APTWARE」にて自動対応が難しいケースでは、手動でチャットオペレーターが対応し、補完を果たす役割です。
ソフトバンクの見込み通りであれば、このシステムが今後間違いなく顧客対応の主流になっていくでしょう。
ここからは私自身の意見です。
私は、チャットは現代の人々に「心の豊かさ」を与えるツールだと思います。
昨今、AIによる自動対応チャットが急速に広がりを見せました。
チャットに送られたメッセージをAIが読み取り、自動で返信を作成するものです。
今日の若い世代の人々は対面より電話、電話よりメール、メールよりチャットを好んで使用する傾向にあります。
その理由としては、手軽、手短か、手間が少ない、すぐに疑問を解決できる、などといった点が挙げられるでしょう。
そしてその傾向はビジネスシーンでも同様に高まってきています。
人間同士のチャットでは、言葉遣い、言葉尻、句読点の有無、返信の速さ、誤字脱字と、1つ1つのアクションから、相手の感情や気分、そして表情までもが浮かんでくることがあります。
チャットには、対面とはまた違った、チャット会話特有の楽しさがあります。
では、AIによる自動回答チャットはどうでしょうか。
人間同士のチャットとは違い、AIが放つ言葉に心はありません。
AIが放つ言葉を受け取る私達もまた、心のこもっていない言葉から感情的な影響は受けないでしょう。
しかし、全自動のAIによるチャットツールは、人間同士のチャットとは別の意味で人々を豊かにしてくれます。
それは、現代に生きる私たち1人1人がもっと、「対面でのコミュニケーションを大切にできる」ということです。
情報が氾濫している現代において、私たちは「必要な情報を探す」という行為に多大な時間を要しているように思います。
来る日も来る日も、膨大な情報の中から取捨選択を迫られています。
そんな中、AIによる自動対応が発展し、誰もが欲しい情報を即時に手に入れることの出来る世の中になったら、どうでしょうか。
多くの時間を割いて情報を探していた人も、いただいた質問に対して1つ1つ回答していた人も、これまでより大幅に時間というコストを削減することができます。
情報化社会のなかで情報の取捨選択に追われていた私たちが、AIの発展においてより有意義な時間を確保することができるようになれば、その時間を温かな人間同士のコミュニケーションに充てることができるようになります。
そういうわけで、私自身は今後も自動対応チャットの開発が進んでほしいと願っています。
そして、このツールを通じて機械化や人口知能が注目される昨今の風潮に、今一度コミュニケーションの在り方を考え直す一助になれば良いと考えております。